インフォームドコンセント
「CVポート」とは、中心静脈から薬(抗がん剤や高カロリー輸液)の点滴を行うために用いる機器の一種です。皮膚の下に埋め込んで使用します。
CVポートは、薬の注入口である「本体」と、薬の通り道である「カテーテル」とで構成されています。
カテーテルは血管内に挿入され、本体は皮膚の下に埋め込まれます。
カテーテルを挿入する血管や、本体を埋め込む位置は、治療内容や患者さんの生活スタイルなどによって決められます。
「ポートを体の中に埋め込むなんて日常生活に影響はないの?」
「ポートから点滴をしていないときは、埋め込み前とかわらない普段どおりの生活を送ることができます。お風呂に入ることもできますし、スポーツ*をすることもできます。」
*埋め込んだところに大きなダメージを与えるような スポーツは避けてください。
CVポートは完全に体内に埋め込まれますので、外から見ると少し皮膚が盛り上がる程度で、大きく目立つことはありません。
・ポートを右胸に埋め込んだようす(矢印のさすところに埋めこまれています)
・服を着ると埋め込み部はほとんど目立ちません。
ポートの本体は100円~500円玉くらいの大きさです。手術のときはこれを埋め込むための約3cmの傷口と、カテーテルを挿入する入り口に1cm程度の傷口ができます。
ポート上面はシリコーンゴムでできています(この部分を「セプタム」と呼びます)。
点滴するときは、皮膚の上からセプタムに針を刺して用います。薬は、針を通じてポート本体のなかに流れ込み、カテーテルのなかを通って、心臓近くの静脈内に入っていきます。
CVポート本体が埋め込まれている位置は、皮膚の上から指で容易に確かめることができるので、針を刺すのも比較的簡単です。