治療の実際
中心静脈カテーテルは、化学療法のために抗がん剤を投与するだけでなく、痛みが激しい時の痛み止めの薬剤投与や、十分に食事が取れず栄養状態が悪化した際の栄養輸液の投与、その他何らかの理由で心臓に近い太い血管に薬剤の投与が必要な時にも用いられます。
十分に食事をとれない場合は、チューブを通して胃や腸に直接栄養を投与する方法(経腸栄養法)が行なわれます。ところが、下痢がひどい場合や、胃の内容物をもどしてしまうなど、このような方法で管理できない場合には、血管に直接栄養を投与する方法(静脈栄養法)が行なわれます。このような時には、CVポートや、ピックなどの中心静脈カテーテルが用いられます。
緩和医療とは癌に伴う不快な症状を改善する治療のことを指します。これには痛みや呼吸困難などの身体的な症状だけでなく,精神的・心理的な症状の改善も目的としています。
痛みや不安などの症状を緩和するため、CVポートや、ピックなどの中心静脈カテーテルを用いて薬剤を投与する場合があります。