インフォームドコンセント
鎖骨付近や首、太ももの付け根にある血管から長いチューブ(カテーテル)を挿入し、そこから薬を点滴します。カテーテルの先端を心臓の近くの静脈(中心静脈)に位置させるので、このようなカテーテルを「中心静脈カテーテル」と呼びます。
心臓付近の血管は腕の血管に比べて太く、流れている血液の量が多いので、薬の刺激による影響を受けにくく、静脈炎による苦痛を感じることはまずありません。
しかし一方で、中心静脈カテーテル特有の合併症について知っておく必要があります。
<挿入に伴うもの>
カテーテルを挿入するときに、動脈や肺を傷つけてしまうという合併症が報告されています。
たとえば、動脈に針が当たって起こる合併症である「動脈穿刺」や「血胸」、肺に針が当たって起こる合併症である「気胸」などがあげられます。万一このようなトラブルが起こった場合は、速やかに適切な処置をとります。
<挿入後に起こるもの>
カテーテルが破損する、感染を起こす、カテーテルの周りに血液中の成分がつく、カテーテルの中が詰まって使えなくなるなどのトラブルが報告されています。
このようなトラブルが起こった場合は、カテーテルを抜くこともあります。
中心静脈カテーテルを使用するときは、このような合併症の発生頻度をできるだけ下げることが重要です。そのため、合併症を予防するためのいろいろな対策が講じられています。