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あなたの血管はガマンしすぎていませんか?(PICC)【6】

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PICC(ピック)の挿入

PICCの挿入は、通常局所麻酔によって行われ、おおよそ30分程度で終了します。鎖骨付近や首、太ももの付け根から挿入するカテーテルと異なり、末梢静脈から点滴するときと同様に腕の静脈から挿入するため、患者さんは比較的恐怖を感じずに処置をうけられるといわれています。

合併症について

PICCは、動脈穿刺、気胸、血胸、感染など、中心静脈カテーテルに関連する合併症の発生頻度を下げることができる、とご説明しました。しかし、PICCに関しても、挿入時や挿入後に合併症を起こすことがあります。たとえば、カテーテルが破損する、カテーテルの周りに血液中の成分がつく、カテーテルの中が詰まって使えなくなるなど、中心静脈カテーテルと同様のトラブルが報告されています。PICCは通常の中心静脈カテーテルと比べ感染の発生率が低いとされていますが、感染が起こることもあります。
このようなトラブルはカテーテル管理をしっかりと行うことにより予防できるものもあります。万一起こった場合には、適切な処置を行います。

そのほか、比較的多く報告されている合併症に、カテーテルを挿入するときの刺激による腕の痛みや腫れ、発赤が挙げられます。このような場合、腕を温めて様子を見ます。*3 改善されない場合はカテーテルを抜くこともあります。

よくある疑問

Q1 PICCはどのくらいの期間使用できますか?

特に決められた使用期間はありません。トラブルがなければ点滴に必要な期間使用することができます。一般的に、数週間 から数ヶ月単位で使用されています。

Q2 お風呂に入れますか?

カテーテルを覆っているドレッシング材の上からラップなどを巻き、カテーテルが濡れないように保護することで、シャワー浴を行うことが可能です。
べとつきが気になる場合は、薄いガーゼハンカチやタオルなどをドレッシング材の上にのせ、その上からラップを巻くと軽減できます。巻いた部分は、お湯にひたさないようにします。

PICCを挿入した状態でカテーテルが濡れないように保護している画像

▲透明ドレッシング材の上からカテーテルをガーゼハンカチなどで覆い、上からドレッシング材またはラップなどで覆います。

Q3 PICCを挿入した状態で家に帰ることはできますか?

「カテーテル挿入部を観察する」「カテーテル挿入部を覆っているドレッシング材を交換する」など、管理に必要なことを行いながら、家で過ごすことができます。詳しくは病院でお尋ねください。

参考文献

*1 BARD ACCESS SYSTEMS,“Early Vascular Assessment Advantage Program”,2009
*2 Christopher J. Crnich and Dennis G. Maki, ‘The Promise of Novel Technology for the Prevention of Intravascular Device‒Related Bloodstream Infection.
II. Long-Term Devices’, Clinical Infectious Diseases 2002; 34:1362‒8
*3 Infusion Nurse Society, “Policies and Procedures for Infusion Nursing 4th Edition”

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